「個人事業主になったけど、確定申告って何から始めればいいの?」 「専門用語が多くて難しそう…」 「できるだけ損しない方法で申告したい!」
毎年やってくる確定申告シーズン。特に初めての方は、不安や疑問でいっぱいかもしれません。しかし、確定申告は、税金を正しく納めるだけでなく、節税に繋がったり、社会的信用を得られたりと、個人事業主にとって非常に重要な手続きです。
この記事では、個人事業主の確定申告について、最新情報(主にこれから迎える2025年分の申告を念頭に)を交えながら、基本的な仕組みから具体的なステップ、節税のコツ、便利なツールまで、初心者の方にも分かりやすく徹底解説します!
この記事を読めば、確定申告への漠然とした不安が解消され、自信を持って準備を進められるようになります。さあ、一緒に確定申告の基本をマスターしましょう!
1. そもそも確定申告って何?なぜ個人事業主は必要なの?
確定申告とは? 簡単に言うと、1年間(1月1日~12月31日)の所得(儲け)と、それに対する所得税額を自分で計算して国(税務署)に報告し、納税する手続きのことです。会社員の場合は通常、会社が年末調整を行いますが、個人事業主は自分で行う必要があります。
なぜ確定申告が必要なの?
- 納税の義務: 一定以上の所得がある場合、所得税を納める義務があります。
- 還付の可能性: 源泉徴収などで税金を払いすぎていた場合、確定申告をすることで還付金が戻ってくることがあります。
- 所得の証明: ローンを組む時や、賃貸契約、補助金申請、保育園の入園申請など、様々な場面で所得を証明する書類として確定申告書の控えが必要になります。
- 社会的信用の向上: 正しく申告・納税することで、事業の透明性が高まり、社会的信用を得られます。
- 節税メリット: 青色申告などの制度を活用すれば、税金の負担を軽減できます。
もし確定申告をしなかったら?(ペナルティ) 期限内に申告・納税しないと、本来納めるべき税金に加えて、以下のようなペナルティが課される可能性があります。
- 無申告加算税: 期限後に申告した場合に課される税金。
- 延滞税: 納付期限に遅れた場合に、日数に応じて課される利息に相当する税金。
- 青色申告の承認取り消し: 期限後申告が続くと、節税メリットの大きい青色申告が取り消されることも。
ペナルティは大きな負担になるため、必ず期限内に正しく申告しましょう。
2. 【STEP0】あなたは確定申告が必要?不要?簡単チェック
「自分は確定申告が必要なの?」と疑問に思う方もいるでしょう。以下の基準で判断できます。
【確定申告が必要な主なケース】
- 個人事業主としての所得(売上 - 必要経費)が年間48万円を超える場合
- 所得税には誰でも受けられる「基礎控除」が48万円あります。これを超える所得がある場合は申告が必要です。
- 副業(給与所得以外)の所得が年間20万円を超える場合
- 会社員などで給与所得があり、それ以外の副業(事業所得や雑所得)の合計所得が20万円を超える場合も申告が必要です。
- 所得が48万円以下でも、還付を受けたい場合
- 報酬から源泉徴収されている場合などは、申告すれば税金が戻ってくる可能性があります。
【確定申告が不要な主なケース】
- 個人事業主としての所得が年間48万円以下の場合
- 副業(給与所得以外)の所得が年間20万円以下の場合 (ただし、住民税の申告は別途必要になる場合があります)
判断に迷ったら? 税務署や税理士に相談するのが確実です。
3. 【STEP1】青色申告?白色申告?どっちがお得?メリット・デメリットと選び方
確定申告には、主に「青色申告」と「白色申告」の2種類があります。
項目 | 青色申告 | 白色申告 |
---|---|---|
主なメリット | 最大65万円の特別控除、赤字の繰越(3年間)、家族への給与を経費にできる等 | 手続き・記帳が比較的簡単 |
主なデメリット | 事前の承認申請が必要、複式簿記での記帳が必要(65万円/55万円控除) | 税制上の特典が少ない |
記帳方法(原則) | 複式簿記 | 簡易帳簿(単式簿記) |
事前申請 | 必要 (原則、開業から2ヶ月以内 or 適用を受けたい年の3月15日まで) | 不要 |
青色申告特別控除(最大65万円)のポイント【重要】 青色申告の最大のメリットである特別控除額は、以下の要件で変わります。
- 65万円控除: ①複式簿記で記帳 + ②e-Taxで申告 または 電子帳簿保存 を行う
- 55万円控除: ①複式簿記で記帳 + ②上記②の要件を満たさない(例:紙で提出)
- 10万円控除: ①複式簿記以外の簡易な方法で記帳
どちらを選ぶべき?
- 青色申告がおすすめな人:
- 節税メリットを最大限に受けたい人
- ある程度の売上・所得が見込める人
- 会計ソフトなどを活用して複式簿記に挑戦できる人
- 白色申告がおすすめな人:
- とにかく手続きを簡単に済ませたい人
- 開業したばかりで所得が少ない、または赤字の見込みの人
- 記帳に時間をかけられない人
迷ったら? 最初は白色申告で始め、事業が軌道に乗ってきたら青色申告に切り替えるという方法もあります。ただし、青色申告のメリットは大きいので、可能であれば最初から青色申告を目指すのがおすすめです。会計ソフトを使えば、複式簿記のハードルはかなり下がります。
4. 【STEP2】いつまでに何を?確定申告の年間スケジュール(2025年分の申告を想定)
確定申告は、年間の流れを把握して計画的に進めることが大切です。
時期 | やること | 備考 |
---|---|---|
随時(通年) | 日々の記帳、領収書・請求書等の整理・保存 | これが基本!こまめに行うのがコツ。会計ソフト活用推奨。 |
開業時/前年 | 青色申告承認申請書の提出 | 2025年分から青色申告をしたい場合、原則 2025年3月15日までに提出。 |
2026年1月頃 | 支払調書、控除証明書等の受領・確認 | 取引先や保険会社などから送られてくる書類を確認。 |
2026年1月~ | 年間の帳簿締め、確定申告書作成開始 | 会計ソフトなら比較的スムーズ。 |
2026年2月16日~3月15日 | 確定申告期間(申告書の提出) | 期限厳守! ※3月15日が土日祝の場合は翌平日まで |
2026年3月15日まで | 所得税の納付期限 | 延納や振替納税の場合は期限が異なる。 |
還付の場合 | 申告後、約1ヶ月~1ヶ月半で還付金が入金 | e-Taxで申告すると比較的早い傾向。 |
※上記は一般的なスケジュールです。最新情報は国税庁HP等でご確認ください。
5. 【STEP3】確定申告の具体的な進め方:5つのステップ
さあ、いよいよ具体的な確定申告の手順を見ていきましょう。
1. 事前準備:必要書類を集めよう 申告時期が近づいたら、以下の書類を準備・確認します。
- 本人確認書類: マイナンバーカード(推奨)または、通知カード+運転免許証など
- 収入に関する書類: 支払調書、源泉徴収票(給与所得がある場合)など ※支払調書は発行義務がないため、なくても自分の帳簿で売上を確認できればOK。
- 経費に関する書類: 領収書、レシート、請求書、クレジットカード明細など(日頃から整理しておくことが重要)
- 所得控除に関する書類:
- 社会保険料(国民年金、国民健康保険など)の控除証明書または支払額がわかるもの
- 生命保険料、地震保険料の控除証明書
- iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金払込証明書
- 医療費控除を受ける場合は、医療費の領収書または医療費通知
- 寄付金控除を受ける場合は、寄付金の受領証 など
- 銀行口座情報: 還付金を受け取る場合や振替納税を利用する場合に必要
- (青色申告の場合)青色申告決算書
- (白色申告の場合)収支内訳書
- 確定申告書
マイナンバーカードは必須級! e-Taxでの申告にはマイナンバーカードがあると非常に便利です。まだ持っていない方は早めに取得しておきましょう。
2. 日々のキホン:帳簿をつけよう 売上や経費などの日々の取引を記録することを「記帳」と言います。これは確定申告の基礎であり、法律で義務付けられています。
- 白色申告: 簡易帳簿(お小遣い帳のような簡単な形式でもOK)
- 青色申告(10万円控除): 簡易帳簿
- 青色申告(65万円/55万円控除): 複式簿記(貸借対照表と損益計算書が作成できる正規の簿記)
会計ソフトが断然おすすめ! 複式簿記は難しく感じるかもしれませんが、「freee会計」や「マネーフォワード クラウド確定申告」などのクラウド会計ソフトを使えば、簿記の知識があまりなくても、日々の取引を入力するだけで自動的に複式簿記の帳簿や決算書を作成してくれます。法改正にも自動で対応してくれるため安心です。手書きやExcelでの管理は手間がかかり、ミスも起こりやすいため、積極的な活用をおすすめします。
3. いよいよ作成:確定申告書を作ろう 帳簿が完成したら、それをもとに確定申告書を作成します。
- 入手方法:
- 税務署で受け取る
- 国税庁のウェブサイトからダウンロードする
- 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で作成する(推奨)
- 会計ソフトで作成する(青色申告決算書/収支内訳書も同時に作成可能)
- 作成のポイント:
- 国税庁「確定申告書等作成コーナー」: Web上で質問に答えていく形式で、比較的簡単に申告書を作成できます。そのままe-Taxで提出も可能です。
- 会計ソフト: 帳簿データから自動で申告書を作成できるものが多く、転記ミスを防げます。
- 記入漏れや計算ミスがないか、提出前によく確認しましょう。
4. 期限厳守!:確定申告書を提出しよう 作成した確定申告書を税務署に提出します。
- 提出期間: 原則、翌年2月16日~3月15日 (例:2024年分の申告は、2025年2月17日(月)~3月17日(月)でした)
- 提出方法:
- e-Tax(電子申告): 自宅からオンラインで提出可能。青色申告65万円控除の要件でもあり、還付も早い傾向。マイナンバーカード方式またはID・パスワード方式で利用。(推奨)
- 郵送: 住所地を管轄する税務署に郵送。信書扱い。消印有効。控えが必要な場合は、返信用封筒(切手貼付)と申告書のコピーを同封。
- 税務署の窓口へ持参: 直接提出。時間外収受箱への投函も可能。
提出期限は厳守しましょう!
5. 忘れずに!:税金を納付しよう(または還付を待とう) 計算の結果、納めるべき税金がある場合は、期限までに納付します。
- 納付期限: 原則、申告期限と同じ3月15日
- 主な納付方法:
- 振替納税: 指定した預貯金口座から自動で引き落とし。事前に手続きが必要。引き落とし日は例年4月中旬頃。
- e-Tax(ダイレクト納付・インターネットバンキング): オンラインで納付可能。
- クレジットカード納付: 国税クレジットカードお支払サイトを利用(決済手数料がかかる)。
- コンビニ納付: QRコードを作成してコンビニで納付(30万円以下)。
- 金融機関・税務署の窓口で納付: 現金で納付。
- 還付の場合: 申告書に記載した銀行口座に、申告後約1ヶ月~1ヶ月半程度で還付金が振り込まれます。e-Taxだと比較的早いです。
6. 初めての確定申告でつまずきやすいポイント&解決策(FAQ形式)
Q1: どんなものが経費になりますか?
A1: 事業を行う上で直接必要となった費用が経費になります。例えば、仕入代金、事務所家賃、水道光熱費、通信費、交通費、消耗品費、広告宣伝費などです。ポイントは「事業に関連しているか」です。プライベートな支出は経費にできません。
Q2: 自宅兼事務所の場合、家賃や光熱費はどうすればいいですか?(家事按分)
A2: 事業で使用している割合に応じて、費用の一部を経費に計上できます。これを「家事按分(かじあんぶん)」と言います。例えば、家賃なら事業で使用している床面積の割合、電気代なら使用時間やコンセントの数などで、合理的な基準で按分します。按分基準の根拠は説明できるようにしておきましょう。
Q3: 売上はいつ計上すればいいですか?
A3: 原則として、商品やサービスを提供した(役務提供が完了した)時点で売上を計上します(発生主義)。実際にお金を受け取った時点(現金主義)ではないので注意が必要です。
Q4: 確定申告の内容を間違えて提出してしまいました。修正できますか?
A4: はい、修正できます。
- 税額を多く申告した場合: 「更正の請求」という手続きを行います(原則、法定申告期限から5年以内)。
- 税額を少なく申告した場合: 「修正申告」を行います。気づいたらできるだけ早く行いましょう。遅れると過少申告加算税などがかかる場合があります。
Q5: 確定申告について、どこに相談すればいいですか?
A5:
- 税務署: 無料で相談に乗ってくれます。確定申告時期は非常に混み合います。
- 税理士: 費用はかかりますが、専門的なアドバイスや申告代行を依頼できます。節税相談も可能です。
- 地域の青色申告会: 会員向けに記帳指導や相談会を行っています。
- 商工会議所・商工会: 経営相談の一環として相談できる場合があります。
Q6: 領収書がない経費はどうすればいいですか?
A6: 領収書をもらい忘れたり、紛失したりした場合でも、出金伝票などに「日付」「金額」「支払先」「内容」を記録し、他の証拠(招待状、パンフレットなど)があれば、経費として認められる可能性があります。ただし、基本は領収書やレシートをもらい、きちんと保管することが重要です。クレジットカード明細や銀行の取引履歴も重要な証拠になります。
7. 確定申告を楽にする!おすすめツール
確定申告の負担を減らすためには、ツールの活用が効果的です。
- クラウド会計ソフト:
- メリット: 日々の記帳から確定申告書類の作成までを大幅に効率化。銀行口座やクレジットカードと連携して自動で仕訳入力。法改正にも自動対応。スマホアプリでレシート読み取りも可能。
- 代表例: freee会計, マネーフォワード クラウド確定申告, やよいの青色申告 オンライン
- e-Tax (電子申告):
- メリット: 自宅や事務所から24時間いつでも申告可能。青色申告65万円控除の要件。還付が早い。一部の添付書類が省略可能。
- 利用方法: マイナンバーカードと対応するスマホorカードリーダー、または事前に税務署で発行されたID・パスワードが必要。国税庁「確定申告書等作成コーナー」から利用可能。
8. 押さえておきたい確定申告の注意点
最後に、確定申告で特に注意すべき点をまとめます。
- 期限は絶対に守る!: 申告・納税の期限遅れはペナルティの元。余裕を持ったスケジュールで進めましょう。
- 正確な記帳と証拠書類の保管: 売上や経費は正確に記録し、領収書や請求書などの証拠書類は7年間(白色申告は5年間)保管する義務があります。税務調査が入った際に必要になります。
- 不明点は早めに解消: 分からないことをそのままにせず、税務署や税理士などの専門家に早めに相談しましょう。
- マイナンバーの記載: 確定申告書にはマイナンバーの記載が必要です。
9. 早めの準備と適切な知識で、確定申告を乗り切ろう!
確定申告は、個人事業主にとって年に一度の大切な手続きです。難しく感じるかもしれませんが、基本的な流れとポイントを押さえ、早めに準備を始めれば、決して怖いものではありません。
来年(2025年分)の確定申告に向けて、今からできること:
- 日々の記帳を習慣づける(会計ソフト導入を検討!)。
- 領収書や請求書を整理・保管するルールを決める。
- 青色申告に挑戦したい場合は、早めに情報収集を始める。
この記事を参考に、一つ一つのステップを着実に進めていきましょう。そして、もし困ったり、不安になったりしたときは、一人で抱え込まず、税務署や税理士といった専門家を頼ることも考えてください。
適切な確定申告は、あなたの事業を守り、成長させるための土台となります。頑張ってください!
参考URL: SMBCカード
参考URL: GMOサイン
参考URL: MUFG
参考URL: freee
参考URL: JCB